こんにちわ!
東京広告工業の岡田です。
広報関連の仕事をしてると、イラストレーターのファイルとか画像、動画など容量の大きなファイルを保存していることも多いと思います。
容量が大きいから、なかなか自分のパソコンに保存できずに、ファイルサーバーやNAS(ナス)に保存していることはあるのではないでしょうか?
しかしこれらの外部保存先にファイルを保存する場合に、注意点があります。
今回は前職の経験から、そのあたりを解説していきたいと思います。
RAIDとバックアップの勘違い
ファイルサーバーやNASをすでに導入されている方はご存知かもしれませんが、ファイルサーバーやNAS(以下ストレージ)はハードディスクが1本だけ動いていません。
通常は複数本のハードディスクを使っていることが多いと思います。
その中でRAID(レイド)という機能があります。
主要なところでは、RAID1(ミラーリング)、RAID5という方法を用いることが多いですね。
みなさんも聞いたことあるのではないでしょうか?
RAID1はミラーリングと呼ばれて、2つのハードディスクを用いて、2つのハードディスクに同じ情報を保存します。ミラーのように同じものが保存されるのでミラーリングと呼ばれます。
保存容量は、ハードディスク1本の容量がMAXとなります。例えば1TBのハードディスクでRAID1を使うとなると、最大容量は1TB
となり、それ以上拡張することができません。
RAIDの場合、どちらか1本が壊れても、片方に同じものが保存されているのでデータが保全されます。
RAID5とは、最低3本のハードディスクを用います。細かい技術的な話を省くと、各ハードディスクに分散して保存します。一見パズルのように保存されますが、一緒に設計図(パリティ)も保存してくれているので、1本壊れたとしても、設計図と残りのピースを見て、不足分を補ってくれる方法です。
RAID1と比べて、HDDを増やせば容量が拡張できるメリットがあります。
一番勘違いで多いのが、RAIDとバックアップって同じと思っている人が多いことです。
そもそもRAIDというのは、なんのためにあるかというと、ストレージを止めないために導入されている技術です。
ハードディスクは壊れやすいので、通常パソコンの場合、ハードディスクが壊れると動かなくなります。
しかし、複数のハードディスク用いて、1本壊れても動くようにした技術がRAIDです。
なので、保全されているデータは壊れる直前のデータしかありません。
バックアップは、過去のデータを時系列で保存しておく方法です。設定にもよりますが、1ヶ月前、1日前なの、過去のデータの状態を保存しています。
RAIDの場合、例えば誰かが誤って、ファイルを削除してしまったとしましょう。
そうすると、過去のデータを持っていないRAIDでは元に戻すことができません。
しかしバックアップであれば、過去のデータから戻すことができます。
あくまでRAIDは稼働を継続するための機能であって、データ消した、誤って修正してしまったということを前提にしていないので、バックアップではないのです。
RAID1よりRAID5の方が良いと思っている勘違い
これは業者の方にもすごく多い勘違いとして、RAID1よりRAID5の方が良い、強固だと思っている人が多い点です。
業者によっては、RAID5の方を提案するところも多いです。
ただ、はっきり言えば、容量が3TB程度で収まるなら、RAID1の方が優れてます。
まず、RAID1でもRAID5でも壊れても大丈夫なハードディスクは1本です。
2本以上壊れると、データは失われます。
ポイントは使用するハードディスクの本数です。
RAID1は使用するハードディスクが2本に対して、RAID5はハードディスクを3本以上、今は4本というのが多いです。(4本の場合、予備として1本は残す場合もあります → ホットスペア)
RAID1もRAID5も故障が許されるのは1本前ですが、RAID5の場合使用するハードディスクが増えますので、それだけ故障原因を増やすことになります。
さらに、RAID5にはおすすめしない理由はもう一つは、電源です。
実はNASの場合、ハードディスクの次に電源が壊れてしまうことがあります。
これは一時期、特に初期のNASでは多発していました。
サーバーであれば電源は比較的簡単に交換できますが、NASでは筐体を修理で送るか、買い換えるしかありません。
まず修理になるとハードディスクもすべて初期化されたり、中のデータは保証しないというのがメーカーのスタンスです。
ハードディスクを抜いて修理してもらうこともありますが、電源だけ修復された場合に、ハードディスクを装填する順番を間違えると修復されません。
そして機種によっては、筐体が壊れた時点で修復できないという可能性の機種もあるわけです。
ですからバックアップを取っていない場合、非常にリスクのある作業になります。
買い替えというこも考えられますが、だいたい電源が壊れるのが3年〜5年後なんですね。
そうすると所有している機種は販売中止になっていることが多いんです。
同じメーカーの後継機で大丈夫じゃないの?と思われるかもしれませんが、ほとんどの場合、新しい機種では修復されません。
ですから、RAID5にしていて、バックアップを取っていないのとにっちもさっちもいかないくなるトラブルは結構多いんです。
その点RAID1であれば、2本に同じデータを複製しているだけなので、1本だけ残っていれば、別の方法でデータを吸い出せば復活するようになります。(技術的な話をすると、WINDOSでは直接読めない場合もあります。LINUXというOSで吸い出すことになります。)
だから、特段理由がなければ、RAID1のものを選んでいた方がいいです。
最重要なデータはクラウドストレージにも保存をおすすめする。
ここまでRAIDとバックアップについて話をしてきました。
個人的な見解では、本当に重要なデータはクラウドストレージ(インターネット上の保存場所)にも保存することをおすすめします。
基本的にNASもバックアップも同じ場所にあると思います。
昨今災害が多い中で、東北の震災でも多かったのが、津波でバックアップごと流されてしまったという事例なんですね。
バックアップを取っているからって、火災とか、何かしらトラブルで破壊されてしまったら、すべてのデータが失われるわけです。
それを回避するにも、遠隔地にバックアップをとるべきです。
大手企業なら遠隔の部署に保存してればいいですが、中小企業であればクラウドストレージに保存することで同じ状況を実現できます。
クラウドストレージは、ビジネスでも使われるマイクロソフト社のonedriveがいいでしょう。
容量にもよりますが、年間数千円から1万円程度です。
よく中小企業の方にこの話をすると、セキュリティーなどの情報漏洩、ファーストサーバーであったデータ損失があるのではないか?ということを言われます。
セキュリティーについては、まず情報漏洩の多くは、社内の人的ミスで起こることがほとんどです。
メールで添付してしまった。USBメモリを落としたとか、そういうのが大半です。
クラウドストレージに保存して漏洩するリスクよりも、今あなたの会社の人的要因で漏洩する可能性のほうが圧倒的に高いんです。
またサイバー攻撃に関して、現状完璧に守ることはできません。
ただ、世界最高峰のIT企業、技術者がいるマイクロソフトが管理する場合と、あなたの会社を比べた場合、サイバー攻撃に対しての防御力は圧倒的に違います。
相手は24時間365日、技術者が監視てしていますし、サイバー攻撃に対抗する技術、設備、管理体制があります。
また地震、火災、停電などの不足の事態にも対応できる能力があります。
サイバー攻撃というとハッカーを思い浮かべますが、ちょっとしたコンピューターウイルスもサイバー攻撃にになります。
あなたの会社のウイルス駆逐ソフトはすべて最新にアップデートしていますか??
そうでなければサイバー攻撃に会う可能性が高いのは、あなたの会社でしょう。
基本的にハッカーは、狙っている企業や団体のサーバーに直接攻撃することはしません。
かならずどこかセキュリティーの弱いところを乗っ取って攻撃をします。
よくあるのが、大手企業に攻撃を仕掛けたい場合、そこと取引のある中小企業を狙ってサイバー攻撃をしかけて侵入したります。
取引先からメールきたら、開きますよね?
それでウイルス感染させて、大手企業の内部に侵入するのです。
そんなことを考えると、クラウドストレージの方がよっぽど安全というとなります。
バックアップに終わりはない
ここまでNAS・ファイルサーバーのバックアップについて色々話してきました。
バックアップも奥が深くて、方法や運用の仕方も様々です。
しかしながらどんなにお金や設備を揃えても、100%データを守れる保証はありません。
場合によっては何重にもバックアップを取る場合もあります。
だけども、最低限のバックアップさへもできていないところが多いのが現状です。
これを機会に一度自社のファイルサーバー(NAS)の運用を見直してみてはどうでしょうか?